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護摩焚き (生雲その④)

生雲は、古代の白山信仰の復活を願って建設された宿坊だそうです。
白山は、今から約1300年近く前に泰澄神融法師(泰澄大師)によって開山された山で、山岳信仰、自然信仰の場として受け継がれてきたところでもありました。
そして、500年前まで那谷寺の修験者らが『自然智』を求めて修行したのが、この役行山だったということでなのです。

宿坊の二階は広い瞑想場になっていて、その中央に本殿がしつらえてあります。
ここの本尊は大自然なので、作られた本尊は祭られてはおりません。
東向きの大きな窓中央に向かって作られた祭壇の、その窓の向こうには白山の頂きを拝する事ができます。

毎月8日に護摩焚きが行われるのですが、宿泊客がいる場合は翌朝宿泊客のために護摩が焚かれます。

いよいよ火祭りの時間が迫ってくると、山と宿坊を包みこむように霧が立ち込めてきました。
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開けた窓からは吹き込むように、荒い霧が部屋の中に流れ込んできます。
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窓に祭られた祭壇の中央はるか向こうには白山の頂があるのですが、あたり一面が霧に包まれています。
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護摩焚き (生雲その④)_d0010900_21545633.jpgこの護摩焚きは、古代神道の古文書から、それにほぼ忠実に再現されたものだそうです。
八百万の神々に祝詞を捧げ、火を点けるまで約20分、全部で40分あまりの時間の儀式でした。

もとをたどればアイヌの火、ネイティブインディアンの火にも通じるという火祭りの火に、私の願い事を書いた符を竹串にはさんで共に焼いていただきました。

仏教でも神道でもない、全てに祈りの形は共通することを火を通して再確認したような気がしました。
儀式の後、この火祭りの事や白山についてのお話しを聞く事ができました。

泰澄大師が白山を開山した時に現れた観音さまのお話をひとつ。
大師が旅の道すがら、突然十一面観音様が現れて、『この山を開きなさい』と白山を指して太子に伝えました。
大師は観音さまの言葉に従って山に登り、途中の湖で休んでいると龍に会いました。
龍に観音さまの事を話すと、たちまち龍が観音さまに変身したと言うことです。

白山は女神の山で、それは菊理媛(くくりひめ)とも十一面観音とも言われています。
菊理媛についても、日本書紀に残る、興味深いお話しを聞かせていただきましたが、次回また。
                                                 
by angelglobe | 2006-09-13 20:00 | 私のふるさと